アプリ開発の7つの手順|アプリを開発する前に知っておきたい全体の流れ
アプリに開発には、フルスクラッチやアプリプラットフォーム・外注などを活用した方法がありますが、いずれにも同じような手順がかかわってきます。基本的な手順を理解して把握することで、スムーズな開発が実現するでしょう。
ちなみに、アプリ開発方法は様々ですが、コストと制作内容のバランスを取りたい中小店舗の方にはアプリプラットフォームがおすすめです。
この記事ではアプリ開発における基本的な8つの手順や、開発依頼時のポイントなどを分かりやすく解説します。
アプリ開発とは
アプリ開発とは、
- Webアプリ
- ネイティブアプリ
- ハイブリッドアプリ
といった各種アプリを制作・開発することです。
現在政府によるDX化の推進や、業務における販促コストの削減・施策効率化などを達成するために、アプリを導入して活用する企業が増加しています。アプリを導入することで、たとえば店舗ではチラシといった販促媒体をデジタル化してコスト削減したり、デジタル会員証によってカードの提示率を上げたり、などの施策が可能です、
アプリを開発する際は、
- 1からフルスクラッチで内製する
- アプリプラットフォームを使って内製する
- 外注して制作を外部委託する
といった方法がありますが、どの方法にもメリット・デメリットがあるので注意が必要です。
ちなみに1からフルスクラッチで内製する方法は、人的リソースや技術面などから多くの店舗では実現できないと思います。
そのため、実際にはアプリプラットフォームを使った外注か、それとも外部委託かどちらを選択するのかが重要となってくるでしょう。
アプリ開発の7つの手順!基本の流れを知ろう
ここではアプリ開発で必要となってくる、8つの手順について解説します。
1.企画立案
まずは企画・立案を行います。
企画・立案に対しては、
- 目標
- ターゲット
- 分析
が重要になってきます。
目標では「アプリ制作によって去年度よりも、店舗売上を20%向上させる」といった数値付きでの指標設定を行う必要があります。目標の方向性や規模の大きさなどが詳細に決まることで、これから作るべきアプリの機能やデザインも自然と固まっていくでしょう。
またターゲットでは、「誰にアプリを公開して使ってもらうか」を決定する必要があります。
- 10~20代の女性、学生でiPhoneをよく使う
- 30~40代の男性、会社員でAndroidを普段使いしている
といった違いによっても、作るべきアプリの仕様やデザインの内容が変化するので注意しましょう。ターゲットの属性が複数存在している場合は、特にシェアの大きいメインターゲットに対して邪魔にならない仕様のアプリを制作する必要があります。
さらに分析は目標やターゲットの設定にもかかわってくる作業です。各種情報を分析することにより明確な目標やターゲット決めを行えるだけでなく、
- 競合のマーケティング事情
- 予算
- 人的リソース
といった状況まで把握して適切な開発設計を行えるからです。分析作業については時間を掛けて行い、この後の要件定義などの負担を削減できるようにするとよいです。
2.要件定義
基本的な計画が策定できたら、次は要件定義の段階に移ります。要件定義ではアプリ設計に関して基本的な項目を概要として決めていくのがポイントです。
- 必要な機能やデザイン
- 開発後の保守や運用の方法
- 人的リソース
- 開発期間・納期希望
などを形として記載することで、この後実際に開発を行う際にどこに気を付けて作業を実行すればよいかが明らかになります。
要件定義書は要求定義という形で開発内容の概要を記載した書類を基に記載されることもありますが、自社で開発を行う際は要求定義を作らなくても、作ってもどちらでも構いません。ただし少人数での開発であっても履歴を残して安全に作業を進めるために有効なので、アプリ開発をする際は必ず要件定義書を作成しておきましょう。
3.設計
要件定義の内容がしっかり決まったら、次に各種開発の設計を実行していきます。
設計は、
- 外部設計(基本設計):フロントエンド部分の設計内容を記載
- 内部設計(詳細設計):バックエンド部分の設計内容を記載
といった2つの項目で成り立っています。
まず外部設計についてはフロントエンド、つまりエンドユーザーであるスマートフォンでアプリを使う方へ見える部分の設計を記載していくものです。
たとえば、
- トップ画面のデザイン
- 操作する要素
などはフロントエンドな部分であり外部設計に入れ込むべきものです。外部設計は基本設計とも呼ばれ、この後作成する内部設計の下地にもなる重要な情報なのでしっかり記載してみてください。
また内部設計ではバックエンド、つまり開発者側にしか基本的には確認できない部分を設計していきます。
- アプリ内部のコードの仕組み・動作
- 内部データベースの他システムとの連携構成
といった技術的な操作部分を設計していきます。
内部設計では詳しいコードの動きやデータの動きなどを記載していくため技術的な内容が多く、詳細設計とも呼ばれます。基本・詳細設計がしっかりしているとこの後の開発も楽になるでしょう。
5.開発
次にエンジニアやプログラマーを動員して、実際の開発に着手していきます。
事前に設定した開発環境を基に、指定された言語で開発を行っていくのがポイントです。
たとえばネイティブアプリをiOS用に用意する場合は、XCodeという開発環境がよく使われています。XCodeはプログラミングコードを編集するエディターやコンピューターで処理できるように翻訳するコンパイラなどの機能を搭載した総合的な開発環境です。開発業者側ではXCodeを使って開発を行う場面も多いでしょう。
またiOSで配信されているアプリには、多くの場合Swiftという言語が使われています。従来の言語よりも処理が軽く簡単に記述できるという点から採用されていますが、アプリ開発初心者に難しいことには変わりありません。こういった開発での敷居が、フルスクラッチでの内製を敬遠される要因となっています。
さらに余裕を持って人的リソースを用意しておかないと、この段階で開発がストップしてしまう危険があります。そのため要件定義や設計などの段階で、スムーズに開発が進められるように調整を行うことも重要です。
6.テスト
アプリを開発する際には、検証作業も行う必要があります。
検証作業は開発中と開発がいったん終わったタイミングなどで行うのが基本です。
開発中は、
- 機能を1つ作るごとに動作をテストする
- 複数連携が想定される機能を組み合わせて動作を確認する
といった部分検証を行います。
単体の機能検証でOKが出ても、その後の結合試験でエラーが出たりして調整が必要になる場面もあるのでしっかり検証しましょう。ここで手を抜いてしまうとリリース後のユーザビリティ低下などへつながってしまいます。
また動作を検証しながらいったんアプリ開発が終了して完成品ができた後も、それに対して検証が必要です。
- 画面のレイアウトが機種によってずれないか
- タップやスワイプで希望通りにすべて動作するか
といった検証を行い、問題がすべて解決されればいよいよリリースできます。エンドユーザーに完成テスト品を使ってもらうといった方法も検討できるので、確実に失敗なくリリースができるような検証を実行してみてください。
またクロスプラットフォームで提供する状況下だと検証パターンも多くなると思うので、余裕を持って検証できるようにスタッフを十分確保しておきましょう。
7.リリース
リリース作業に関しては、制作したアプリの種類ごとに違いが出る点に注意が必要です。
たとえばWebアプリを開発する場合は、Webサイトの一種なので審査作業などが必要ありません。制作後すぐに公開できます。
ただしネイティブアプリの場合、各アプリストアの審査へ合格した後に公開を行う必要があります。特にApp Storeでは一見問題がないようなアプリでもはじかれてしまうケースがあるので、公開前によく検証やガイドラインの確認作業を行う必要があるでしょう。
ネイティブアプリの審査に関してはアカウントIDの取得や情報の入力なども必要です。この点に関しても事前に審査手順を覚えて活用できるようにしてきましょう。
ちなみにハイブリッドアプリの公開に関しても審査を通す必要がありますが、手順は基本的にネイティブアプリの事例と変わりません。
8.アプリの運用・保守
アプリのリリース後は、アプリをどうやって運用して保守していくのかを考える必要があります。
- 大きな不具合が発生していないか
- ユーザーから不満が多く寄せられていないか
といった点を確認し、改善を重ねてよりユーザーが使いやすいアプリ目指しましょう。
すべてを一気に改善することはできないので、重要度等から優先順位を付けて、順次対応していく観点が必要です。
またアプリに急遽人気が出たりしてアクセスが集中するといった事態も考えられます。こういったケースではコンピューターリソースのバージョンアップも考えないといけないので、システム構築の変更まで考えて運用体制を変えていく必要があるでしょう。
保守に関しては問題が起こってもすぐに使える状態にできるように、また、すぐ対応して修理等ができるように常時稼働状況を可視化して確認する作業が発生します。ツールも使いながら問題が起こっていないか確認して、急にアプリが落ちて使えなくなってしまう、といった事態を防ぐことが大切です。
運用と保守はセットで成功させる必要があります。どちらにも対応できる人材を用意するか、あるいは運用と保守で別々の担当者を用意して業務を行った方がよいでしょう。
アプリ開発をする際の注意点
ここからは、アプリ開発を行う際の注意点をご紹介します。
開発する手法や依頼する会社は慎重に選ぶ
アプリを開発する手法は前述の通り複数存在しています。また外注が可能、あるいはアプリプラットフォームを提供している業者もたくさん登場しているので検討時には混乱してしまうことも珍しくありません。
どの開発方法・サービスにもコストやカスタマイズ性、サポート面などでメリット・デメリットがあります。
自社の技術力や用意できる人材、開発期間やデザイン・機能の複雑性などを考えて適した方法で開発を進められるようにするのがよいです。
特に中小規模の店舗では技術力が不足していて、人材もいないというケースが多いです。そのような場合は、アプリプラットフォームを利用することをおすすめします。
アプリ開発費用の全体を事前に把握しておく
アプリ開発では、
- 開発環境を用意するためのツール・設備費
- 作業を行う従業員・外部スタッフの人件費
- アプリストアに審査を通すための手数料
- リリース後の運用・保守で掛かる継続費用
などが発生します。
開発費といった初期費用だけを確認しがちですが、実際にはリリース後の運用・保守に必要な費用も大きいため、事前に必ず全体の費用を把握しておきましょう。
外注する際は運用・保守費まで含めて比較ができるよう、複数業者から見積もりを受けて書類の金額や内訳等を確認しておくとよいです。
見積りの比較によって、費用と開発内容のバランスが自社合っているかなどの判断が付きやすくなります。
要件定義は明確に行う
要求定義を行う場合はそれも含めて、要件定義に関する作業を明確に行う必要があります。
要件定義は外注する場合業者といっしょに作っていけるケースも多いので、細かく作り込めるようにしておきましょう。
要件定義によって開発目標や必要な機能の優先順位などが明確になっていれば、開発作業の融通も効きやすくなります。たとえば優先順位の高い機能に関して細かい作り込みが必要な場合は少し納期を後ろ倒しにしてじっくり作れるようにする、といった調整が書類で簡単に実行できるからです。要件定義がないとこういった調整が難しくなるので注意しましょう。
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※営業日起算・アプリ開発希望・状況等により変動あり
最初から開発内容が固まっていれば、すぐにアプリを開発してユーザーに提供できます。制作できるアプリは必要な店舗集客に関する機能をすべて備えたものです。
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まとめ
今回はアプリ開発で必要な7つの手順を解説しました。
アプリの開発では事前の計画策定や開発内容の定義、また開発後の運用・保守まで考える必要があります。ぜひ自社のリソースや技術力などから比較して、適切な方法で手順通り開発できるようにしてみてください。