アプリプラットフォームとは?メリット・デメリット、おすすめ3選を比較
近年、アプリプラットフォームを利用したアプリを導入する企業が増えています。特に中小規模の店舗では、アプリプラットフォームを使ってのアプリ活用はかなり有効な手段です。それはアプリを単に低コストで使えるだけでなく、内製によるマーケティングの調整が簡単だったり、スピーディーに希望の機能を提供できるといったメリットがあるからです。
他の開発方法と比較すると、よりその有用性やメリットの大きさが分かります。マーケティング面で不安がある場合は、サポートが充実しているサービスを選定するとよいでしょう。
この記事ではアプリプラットフォームのメリット・デメリットや、おすすめしたい実際のサービスについて詳しくご紹介します。
アプリプラットフォームとは?その他の開発方法との違い
アプリプラットフォームは店舗の販促に頻繁に活用されているサービスです。まずはその概要を他の開発方法と比較しながらご紹介します。
アプリプラットフォームとは
アプリプラットフォームとは「アプリを構築・提供するためのさまざまな機能・サービスが提供されているプラットフォームツール」です。
プラットフォームという言葉が示す通り、これ1つで「アプリの制作→提供→運用」が完了するのが特徴になっています。
アプリプラットフォームが提供されたことにより、アプリ業界ではある変化が起こりました。それは「従来一部企業しか実践してこなかったアプリ制作を、アプリ制作初心者が担うようになった」というものです。アプリを制作できる人が増えて利用のハードルが低くなったことにより、アプリ業界では民主化が行われたと表現する方もいます。
アプリプラットフォームは大企業も利用していますが、それ以上に多くの中小規模の店舗で利用が広まっています。
実際一部地域でサービスを提供しているような店舗はアプリプラットフォームを活用してアプリを作っているケースも多く、私たちは知らないうちに生活でアプリプラットフォームによって構築されたアプリを触っていることも多いです。
アプリプラットフォームによくある機能
店舗の販促においては、一般的に次のような機能がよく提供されています。
- デジタル会員証
- デジタルチラシ
- クーポン
- プッシュ通知
店舗によってはサブスクリプションサービスの予約機能や、モバイルオーダー機能を連携させて利用しているケースもあります。
今や多くの企業がアプリプラットフォームを活用しており、低コストである程度の質が確保されたアプリをシンプルに開発できる魅力がアプリ業界全体で広まっています。
上記の基本的な機能だけでも、マーケティング力の強化や施策の効率化、さらに従業員の負担削減やコスト減少といったさまざまな目標を達成可能です。さらに独自の機能や競合ではあまり提供されていない便利な機能・サービスをアプリで提供することによって、利用の定着化も図ることができるでしょう。
その他のアプリ開発方法
自社のアプリは、アプリプラットフォーム以外にも、次のような方法で開発が実現できます。
- 1からフルスクラッチで開発する
- 外部委託でアプリを開発する
1からフルスクラッチ開発する場合は、すべて自社内製でアプリを開発することになります。ただしプログラミングコードを1から作成して開発するというのが作業の足を引っ張ります。技術力や人的リソースが確保されていないと、時間が余計に掛かったりコストが高額になったりしやすいです。あまり一般的な方法ではありません。
また外部委託でアプリを開発する方法は、予算がある程度大きい企業ではよく利用される手法です。ただし外部委託だとそれなりの依頼費が発生するので、予算が少ない中小規模の店舗では利用しにくいデメリットがあります。
そのため、アプリプラットフォームは内製を実現しつつ、外部委託より低コストでアプリを制作できるサービスとして人気を集めているのです。
アプリプラットフォームを利用するメリット
アプリプラットフォームを利用してアプリを開発をすると、次のようなメリットを得られます。
開発期間の短縮
通常フルスクラッチ開発や外部委託による開発を行うと、数か月では開発が終わりません。半年や1年、規模によっては2年、3年といった月日が掛かります。当然開発期間が延長されるとその分人件費が増すので、コストも高額になります。
こういった開発期間面でのネックをアプリプラットフォームでは感じにくいです。
なぜならば開発開始から1か月前後でも、アプリを制作完了させてリリースさせることができるからです。
当然事前にどんな機能を必要としているのか、またどうやって目標を達成するのかの方針を決めておく必要はありますが、制作や提供の工程においてあまり手間取らずすぐにアプリを提供できる点は大きなメリットになります。
開発費用と運用費用を大幅に削減
アプリプラットフォームを活用すると、テンプレートやあらかじめ用意されている機能を活用してアプリ開発ができます。フルスクラッチでは定型的な部分までプログラミングする必要性も出てきますが、アプリプラットフォームでは上記のような機能が活用できるので必要な部分だけ開発に注力すれば、後は直感的にアプリを組み立てることが可能です。
また運用についても外部委託する必要性が小さいのもメリットだと言えます。少人数でもアプリの効果計測やマーケティング施策の実行、課題の洗い出しなどが工程として回しやすいです。
結果的に開発費用だけでなく、継続的に発生する運用費まで削減できるので大きなコスト削減効果に繋がります。
誰でも簡単にアプリ公開・運用が可能
アプリプラットフォームの操作はサービスごとに若干違うので、最初はとまどうこともあるかもしれません。
しかし実際には直感的に機能を選択したりデザインを変更したりすることがほとんどなので、イメージさえつかめればアプリ開発初心者でもすぐ開発に着手できます。
たとえば店舗の代表者が直接アプリを制作してから、その後は従業員に運用を任せるといったことも実現可能です。
また運用に関しても前述の通り少人数で簡単に工程を回せるので、アプリ開発に詳しい人材がいなくてもスムーズなアプリ公開や改善、バージョンアップ等が可能になっています。内製が実現できれば自社にノウハウが蓄積されるので、最適な施策の成功パターンも編み出しやすいでしょう。
完成形をイメージしやすい
フルスクラッチや外部委託での開発の場合、完成したらどのようなイメージになるのかつかみにくい場合があります。もちろん他の開発方法でもプロトタイプや共有イメージなどを見ればある程度どんなデザインや機能になるのかは把握できますが、初心者にとってはそれも難しいかもしれません。
アプリプラットフォームの場合、デザインだけでなく内部構造まである程度把握した上でアプリ開発が可能です。
テンプレートをあらかじめ選択してからそれをベースに開発することで最初から完成イメージをつかみながら調整できます。それだけでなく導入実績もアプリプラットフォームが公開しているのでそこからもイメージをつかみやすいです。分かりにくい場合はサポートに連絡してアドバイスを受ければよりイメージが鮮明になるでしょう。
内製だと完成イメージが分からない場合、希望のアプリができ上がらない危険がありますが、アプリプラットフォームの場合はそのリスクもありません。
アプリプラットフォームのデメリット
得られるメリットが多いアプリプラットフォームですが、次のようなデメリットもあります。
完全オリジナルを望むなら物足りない?
アプリプラットフォームではすでに用意されているデザインや機能を活用してアプリを制作していくことになります。そのため、すでに用意されているものに制限されずにアプリを制作できる・あるいは作りたい方にとっては、かせとなってしまう可能性があります。
完全に独自性のあるアプリを制作するのは難しいと思った方が良いでしょう。
しかし店舗運営を考えると、独自性というのは最重要事項ではありません。独自性が一番求められるのは画像や動画で表現するクリエイティブなアプリだったりします。店舗運営では既存の事業をデジタル化して効率化する、あるいは顧客の利便性を向上させるというのが主目的になるのでクリエイティブな機能が充実していてもあまりメリットにならないケースも多いです。
そのため、完全オリジナルにならないという点はあまりデメリットにならないことが多いことを覚えておくと良いでしょう。
自社で運営するのが前提である
アプリプラットフォームで自社運用を行う場合、一番気になる可能性があるのがマーケティング面です。
外部委託等とは違い、あくまで自社でアプリを制作して運用するので、マーケティングのノウハウが不足していたりするとスムーズにアプリを活用できない恐れがあります。
こういった面が心配な方は、アプリプラットフォームの公式サポートを使ってみましょう。サポートではアプリ制作だけでなく、マーケティング面での運用アドバイスなども受けられるので安心です。ただしサポート範囲に限りがある場合もあるので、事前にどこまでサポートしてくれるのかを調査しておいてください。
アプリプラットフォームはどう選ぶ?比較ポイントとは
ここからは、アプリプラットフォームの比較・選定ポイントをご紹介します。
使いたい機能があるか
アプリプラットフォームに使いたい機能があるかを必ずチェックしておいてください。
使いたい機能については優先順位を決めておき、優先順位が高い機能が利用できないプラットフォームは選ばないようにするとよいです。
基本的にプッシュ通知やクーポン配布、会員証といった機能はどのアプリプラットフォームでも提供されています。それ以外の独自性のある点を比較しながら、全体的に使いやすく自社の目標を100%近い確率で実現できるプラットフォームを選定してみてください。
簡単に開発・運用ができるか
アプリプラットフォームごとに開発方法は少々異なってきます。たとえば自分で一部プログラミングコードが打ちたい場合はローコードのプラットフォームを選ぶ必要がありますが、コーディング等に対応していないプラットフォームではそれができません。
こういった違いに注意して、簡単に目標通りに開発ができるものを選ぶ必要があります。
また運用面ではたとえば分析機能が簡単に扱えるかをチェックしましょう。
分析が複座鬱だったり共有できない仕組みだったりすると課題の洗い出しやアプリへのフィードバックが難しくなります。
初期費用や月額費用、オプション費用が適正か
アプリプラットフォームで注意したいのが、料金体系です。なぜなら、機能といった面よりも、料金面で体系に違いが出てくるパターンが多いためです。
アプリプラットフォームの料金は主に、
- 初期費用
- 月額費用
- その他オプション費用
で構成されています。
アプリプラットフォームによって初期費用が無料だったり、月額費用が安かったりとパターンは違います。またキャンペーンで一時的に初期費用が必要ないパターンもあるので、導入タイミングで導入予定のプラットフォームを比較して選定しないと正しい比較ができません。
さらに初期費用が安い分月額費用が高額になるといったケースもあるので、注意して比較する必要があります。
サポート体制は十分か
アプリプラットフォームのサポート体制にも違いがあります。
まずどの連絡方法が使えるかをチェックしましょう。メールだけでなく電話やチャットサポートまで受けられると安心です。ただし一部サポートは有料になる可能性があるので注意しましょう。
また技術面でのサポートは別途料金が発生する可能性が高いです。API連携などを実現した方はそういった点に注意して、サポート費用込みで一番希望通りに導入できるプラットフォームを選定してみてください。
おすすめのアプリプラットフォーム3選をご紹介
ここからはおすすめのアプリプラットフォームを3つご紹介します。
店舗アプリ DX版 raiten
導入者数800社、導入店舗数8,000店舗を突破しているアプリプラットフォームです。完全ノーコードでアプリをすぐに制作可能です。制作期間は最短で20日となっており、他アプリプラットフォームと比較してもかなり早めの水準になっています。
導入業種も多く、さまざまなテンプレートデザインや実績を提示可能です。またブログ感覚で簡単に操作できるよう調整されているので誰でも簡単に作業できます。
一部オプションにはなりますが、サポート体制も充実しています。動画やマニュアル等を確認しながら、それでも分からない点がある場合はサポート部門へ問い合わせることで、問題を解決することができるでしょう。
Yappli(ヤプリ)
アプリプラットフォームの黎明期から存在しているアプリ開発会社です。
店舗販促だけでなく社内で情報共有に使うアプリなどさまざまなアプリを総合的に開発できます。店舗販促用だけでなくさまざまな性質のアプリを開発したい際におすすめのプラットフォームです。
またクラウドベースで細かいアップデートにも対応しており、年間200回以上もの改善を行い利便性を向上させています。
カスタマーサクセスによる導入支援まで開催されているので初心者でも安心して利用可能です。
GMOおみせアプリ
3,000社・9,900店舗以上で導入されている人気のアプリです。
基本仕様にセミオーダーのプランを加えることで低コストとカスタマイズ性を両立させています。
こちらもカスタマーサクセス部門が用意されているので、効果測定や分析などで充実したサポートが受けられます。マーケティング面においては効果のスコアリングや情報の配信機能などが活躍するでしょう。
POSレジやECサイトとのデータ連携も可能なので、既存のコンテンツを無駄なく活用しながらアプリマーケティングを実現できます。
まとめ
今回はアプリプラットフォームのメリット・デメリットや、おすすめしたい実際のサービスについて詳しくご紹介しました。
アプリプラットフォームは低コストでスピーディーなアプリ提供が可能であり、内製でも少人数で簡単に運用が可能です。分からない点は各種サポートを受けながら理解していくと良いでしょう。
プラットフォームを実際に選定する際は、今回ご紹介したサービスやポイントを意識しながら比較検討し、自社に合ったサービスを探してみてください。