商業施設のアプリ成功事例4選!モールやSCこそアプリマーケティングと相性がよい
商業モールやショッピングセンター(SC)は巨大な設備や複数の店舗(テナント)を備えている分、維持費が高くなりがちです。そこでさまざまな情報を発信して、なるべく多くの新規顧客やリピーターを囲い込むことが重要となってくるでしょう。
特にアプリを使った集客は、リピーター化を促進して商業施設の運営を安定させるために大きな役割を果たします。チェックインやテナントのクーポン配布、といった施策をパーソナライズして一人ひとりに合わせて行うことで、利益を最大化できるのがポイントです。
今回は商業施設のアプリの概要や活用方法、そして成功事例などを詳しく解説します。
【合わせて読む】 ●商業施設こそアプリを活用しよう!競合モールに差をつける方法とは |
商業施設のアプリとは
まずは、商業施設のアプリにはどのようなコンテンツが必要なのかといった項目をご紹介していきます。
アプリにはどんなコンテンツが必要?
商業施設では、主に以下のような情報提示・設備の用意が必要です。
- ショップフロアガイド
- テナントのイベントやキャンペーン情報
- 商業施設内共通のポイントカード・スタンプカード
- 新店舗の最新情報・古い店舗の閉店情報
上記項目についてはアプリ内で対応できるようにコンテンツを追加・提示することで、リアルタイムに情報を提示しながらコスト削減や集客力強化などを実現可能です。
商業施設の規模はテナント数や立地している場所といった内容によって変わりますが、テナント数が多く数階に店舗が分かれているところでは道に迷う方もいらっしゃいます。
そこで重要なのがショップフロアガイドです。ショップフロアガイドによって、どこにどのテナントがあるのか、またどうやって経路を確保すればよいかが簡単に把握できます。
またテナントのイベント・キャンペーン情報を適宜発信したり、新店舗や古い店舗の最新情報を提供するのも重要です。新店舗の集客数を確保しながら、古い店舗の撤退情報をリアルタイムで伝達することで機会損失を減らせます。
さらに商業施設内で共通してポイントカード・スタンプカードを使えるようにすることで、商業施設全体の集客数やリピーター化促進の割合を促進することが可能です。
情報発信の方法はどうする?アプリ以外の方法とは
商業施設の情報発信方法としては、次のようなものが考えられます。
- チラシ
- テレビ
- ラジオ
- ダイレクトメール(DM)
- Web広告
- SNS
- Webサイト
新聞へ入れ込んだり商業施設内で配布したりすることで、最新のキャンペーン情報やイベント情報などを顧客へ提示することが可能です。余力がある施設ではテレビ・ラジオといったマスメディアで集客を行う事例もあるでしょう。
またDMを送信して集客を狙う方法もあります。DMはメールで送信する方法にすればコストを削減できますが、埋もれてしまうリスクがある点には注意しましょう。
他にもWeb広告で指定エリアに住んでいる顧客へ情報を発信したり、SNSでコストを掛けずに情報を発信してファンを増やす施策も考えられます。公式Webサイトを開設して、情報を掲載するポータルの場として機能させる方法も一般的です。
どの方法にもメリット・デメリットがありますが、上記の宣伝方法をアプリと比較すると、アプリには次のようなメリット・デメリットがあります。
<メリット>
- インストールすれば継続的に情報発信できる
- 上記で紹介した機能を統合して管理できる
- オフラインのデータを取得可能
<デメリット>
- 上記のような方法と併用すると手間やコストが掛かる
- インストールされるには商業施設の認知度などを上げないといけない
アプリでは継続的な情報発信によってリピーター化を促進しながら、チラシやSNSといった情報の管理を一元化できます。また来店といったタイミングでオフラインデータを取得できるのも強みです。
その代わり上記方法と併用すれば効果が向上する分、運用に手間やコストが掛かります。またインストールされるためには広告やWebサイトなどで認知度を上げる工夫が必要です。
商業施設にアプリは必須。商業施設だからこそできるアプリ活用術
ここからは商業施設だからこそできる、アプリの活用術についてご紹介していきます。
商業施設の共通ポイントカード・スタンプカードを簡単に発行できる
商業施設の共通ポイントカードやスタンプカードなどを紙・あるいはプラスチックで発行していると継続的にコストが掛かります。
- デザインの変更
- カードの切り替え・紛失といった内容への対応
を考えると、さらにコストがかさむのもデメリットです。
これをアプリ内でデジタルポイントカードやスタンプカードを発行して利用できるように変更すると、課題解決へとつながります。
- デザインを変更しても追加コストが掛からない
- カードを切り替えたり紛失して新規発行したりする手間がなくなる
といったメリットによって、コスト削減だけでなくカードユーザーの手間軽減にもつながり、ポイントカードやスタンプカードの利用率向上まで達成可能です。
既存ユーザーをどうやってデジタルポイント・スタンプカードへ誘導するか、また貯まったポイント・スタンプをどう処理するかといった点を考えてデジタル化することをおすすめします。
位置情報を利用したプッシュ通知・クーポンの配布
アプリを活用すると、商業施設内の位置情報を利用したプッシュ通知やクーポン配布といった施策が可能になります。
位置情報を取得し活用するには、次のような方法があります。
- GPS
- ビーコン
- Wi-Fi
GPSはどこにいても衛星上から情報を受信して位置把握へつなげられる技術です。本来はマップアプリといった位置情報の常時受信が求められるような用途で使われていますが、商業施設の場合屋内というのがネックになります。屋内だとGPSの受信が上手くできず精度が低くなる恐れがあり、また商業施設には障害物も多いので位置情報取得には適していないかもしれません。
ビーコンを使うとテナントや各スペースに発信機を置いて、付近を通過したユーザーへ情報を通知する方法が取れます。この方法だと一つひとつの発信距離は小さくなりますが、複数台を綿密に設置することで商業施設内全体で情報発信することが可能です。また電波干渉も起きにくいので設置しやすく、GPSと比較して屋内といった条件に関係なく情報を送れます。
Wi-Fiではアクセススポットを使ってスマートフォンユーザーの位置情報を特定します。テナントが別途アクセススポットを設けて集客をしている事例もあり、そういった事例では複数のアクセススポットを使いながらユーザーがどこへ寄っているのかがより分かりやすいです。ただし商業施設内に複数のWi-Fiスポットを設置するには限界があり、また電波障害も起こりやすくなる点に注意しましょう。
テナントの魅力を発信しブランド力を高める
商業施設は1つの町と言っても過言ではありません。町ぐるみで集客を行い、にぎわせる必要性があります。商業施設内の全テナントの最新情報を把握して欲しいユーザーへ届ける必要がありますが、テナントによって情報の「いる / いらない」が変わってきます。すべてのテナント情報をユーザーへ届けるのは非効率ですし好ましくありません。またリアルタイムで情報を届けないと鮮度が下がり、効果がなくなる恐れもあります。
こういった課題はアプリを導入することで解決できます。
具体的には商業施設専用のアプリとして全テナントの情報を紹介し、SNSのようにフォローできるようにしておくことです。これによってフォローしたお気に入り店舗のみ最新情報が通知されるようになるので、ユーザーは欲しい情報だけを好きなタイミングで受け取りやすくなります。
複数店舗で構成されている商業施設では、お気に入り店舗登録機能が特に役立ってくるでしょう。
従来のチラシを見たりして逐一お気に入り店舗を調べる方法では、面倒ですし情報鮮度も落ちる可能性があります。アプリへ情報発信を切り替えることでユーザー利便性が上がる点を活用できるように、設計を行ってみましょう。
EC(オンラインショップ)を提供できる
スーパーといった店舗形態と同じように、商業施設のアプリでもEC機能を提供できます。EC機能を活用するときは、オムニチャネルの概念を上手くアプリ内へ取り込めるかがポイントです。
たとえば複数のテナントの商品を取り扱えるように、総合的なモールオンラインショップをオープンします。実店舗とEC内の商品在庫を連携させ、店頭に商品が存在していなかった場合でもECで在庫があれば即注文・発送ができるようにしておけば、利便性も上がります。またECで商品を注文した場合発送すると手数料が掛かりますが、実店舗で在庫が残っていればすぐ受け取れるようにすることでユーザーは安く商品を購入することができ、満足度も向上するでしょう。
このように実店舗でもECテナントでも同じように商品を購入できるようにしながら在庫データを共有することで、ユーザーはスムーズに商品を購入できますし、店舗側では無駄なく在庫を管理して機会損失を防ぐことが可能です。実店舗とECの在庫を別にしてしまうと管理が面倒になるので、ぜひオムニチャネルの概念で共有できる仕組みを構築してからECを提供してみてください。
チラシやショップフロアガイドなどをデジタル化可能
商業施設ではチラシやショップフロアガイドなどの発行・配布にはかなりのお金が掛かります。通常のスーパーといった店舗とは違い、複数のテナントを紹介しながら情報を発信するためチラシのボリュームが大きくなってしまうからです。また現在では紙で集客が効率化するかと言えば、効率が落ちてきているので決して配布施策が成功するとも限りません。
商業施設内のアプリでチラシやショップフロアガイドなどをデジタル化することで、コストは大きく削減できます。
元のデジタルデータさえあれば店舗ごとの情報表示も簡単ですし、ショップフロアガイドに関してもガイドアニメーションといった効果を付けることで分かりやすくフロア情報を来店した顧客へ提示することが可能です。またデータの変更も簡単なので、大幅なテナント刷新やフロア改装といった仕様変更があった際も柔軟に対応できるの点も大きなメリットでしょう。
古い情報を顧客へ提示すると離脱するリスクもあるため、チラシやフロアガイドのデジタル化は単なるコスト削減だけでなく、こういった離脱リスクを低下させて集客効率を上昇させる用途にも役立てることができます。
商業施設のアプリ成功事例4選
ここからは商業施設のアプリ成功事例をご紹介していきます。
三井ショッピングパーク
三井ショッピングパークの「三井ショッピングパークアプリ」は、すでにGoogle Playで100万ダウンロードを突破するなど根強い人気があるアプリです。
全国約60の対象施設で利用できるこのアプリでは、お気に入り施設情報を簡単に受け取れるほか、営業時間やイベント、クーポン情報などを簡単に調査できます。
さらに「アプリde支払い」というサービスへ登録することで、ポイントを貯める、使うだけでなく対象のクレジットカードで支払いの操作が可能に。
さらにEC機能「ららぽーと公式通販&mall」では、写真やコーディーネットといった画像データを使って検索ができるので、商品名が分からない際も検索できるので、かなり利便性が高いです。
プレミアム・アウトレット
お得にブランド商品を購入できるプレミアム・アウトレットでは、「プレミアム・アウトレット ショッピングナビ」アプリを提供しています。
- 最新バーゲン情報
- ショップ情報
- ニュース
- お気に入り
- スタンプブック
- お知らせやクーポン
といったコンテンツをまとめて提供しており、ジャンルやキーワードから欲しい商品を検索して表示できる機能まで搭載されています。
購入時には割引計算ができるというユニークな機能まであり、複数の商品金額を登録して割引率を掛けることで簡単にお買い物の合計金額をあらかじめ確認できるようになっているのもポイントです。
パルコ
アパレル商業施設として全国でサービス提供を行っているパルコでは、「POCKET PARCO」というアプリを集客へ活用しています。
POCKET PARCOではアプリIDを通じて来店前・中・後をすべて把握できます。またブログ経由での店舗お気に入り登録やアプリチェックインといったインセンティブ機能まで用意されており、幅広い施策を実行しています。商品レビューを接客改善へ活用するといった取組も忘れていません。
さらに「PARCO CUBE」というサイネージを施設内へ設置、テナントのおすすめ商品を表示してユーザーがスマートフォンへ保存できる仕組みを作ることで、後ほどEC機能から購入することができる面白い工夫まで行っています。
ルミネ
ファッションビルのルミネでは、「ONE LUMINE」アプリを提供しています。
アプリではお気に入り店舗の最新情報やブログ情報などを確認することが可能です。またコーディネート情報を確認して購入へ活用することもできます。EC機能も搭載されており、詳しい画像や文章といった内容を確認して商品を購入できます。
アプリ内にはランク機能も備わっており、現在のマイル数やランクを簡単に確認可能です。マイルは特典と交換可能であり、リピーター促進へ役立っています。
アイルミネIDという情報を取得することでマーケティングへ活用していますが、取得時にはクーポンといったインセンティブを付与することで利用率を上昇させています。
商業施設のアプリを導入するなら「店舗アプリDX raiten」
「店舗アプリDX版 raiten」は、デジタル会員証機能やクーポンの発信、プッシュ通知の利用といったさまざまな機能を低コストで導入できるアプリプラットフォームです。
自社制作ができるだけでなくアプリ運用まで簡単に内製できるので、継続的にアプリを役立てたい方へおすすめとなっています。
アプリストア申請といった面でオプションサポートまで提供しているので、気になる方はぜひご連絡くださいませ。
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まとめ
今回は商業施設のアプリの概要や活用方法、そして成功事例などを詳しく解説しました。
商業施設は維持費が高い分、さまざまなコンテンツを上手く顧客へリーチさせてリピーター化させる仕組み作りが重要です。アプリを使い各アナログコンテンツをデジタルへ一元化、コストを削減しながらスマートフォンユーザーへ効率よく情報を発信する施策を行うことで、売り上げアップに繋がるでしょう。
商業施設のアプリを制作する際は、ぜひアプリプラットフォームをご活用ください。