アプリとWebサイトは同時開発すべき?両方必要な理由と活用方法を解説
アプリとWebサイトを別コンテンツとして扱い、どちらかのみをマーケティングへ適用する企業も存在します。しかし結論から言うと、予算が十分であれば両コンテンツを連携させて活用するのが望ましいです。
連携する理由としてはアプリとWebサイトでは接点を持てるユーザーが異なるなど、それぞれのコンテンツに違いがあるため。併用することで段階に応じたアプローチが可能です。
今回はアプリとWebサイトを同時開発すべき理由を、活用方法と絡めて解説します。
アプリとWebサイトを同時開発できるプラットフォームがある!導入するメリットとは
すでに複数のベンダーから、アプリを簡単に開発できるプラットフォームが提供されています。
こういったプラットフォームは、
- 低コストでアプリ開発が可能
- ノーコード・ローコードで開発が実現できる
- スピーディーに制作~アプリリリースまでを行える
といったメリットがあります。「これからアプリを開発して店舗集客等へ活かしたい」といった方におすすめです。
そしてこういったプラットフォームでは、Webサイトの同時開発機能も備わっていることがあります。
アプリ・Webサイトをプラットフォームを通じて同時開発できると、次のようなメリットがあります。
PWAを制作可能
PWAとは「Progressive Web Apps」の略であり、Webアプリをさらにネイティブアプリライクにしたものです。
従来のWebアプリでは実現できなかった、
- プッシュ通知の送信
- オフラインでの複数ページ読み込み
- アプリアイコンをスムーズに追加する
といった機能が搭載されており、ネイティブアプリと同じくスマートフォンの独自機能(カメラやプッシュ通知送信システム)へアクセスできるようになっているのが特徴です。
アプリとPWAを同時に開発できるプラットフォームを導入すれば、制作が楽になることに加え、最新のWebコンテンツを簡単にインターネット上で公開できるというメリットがあります。
アプリとWebサイトの同時編集・管理が可能
アプリとWebサイトの同時運用に対応しているプラットフォームならば、各コンテンツをばらばらに管理する必要がありません。両コンテンツの同時編集や管理が可能です。
アプリとWebサイトで、コンテンツ内容をまったく違うものにする必要はなく、流用できる画像やテキストメッセージなどを上手く同時利用することで、制作スピードの向上や制作負担の軽減等に繋がります。
そしてプラットフォームで最初から同時開発していれば、別ツールで同じようにコンテンツを流用して制作するよりも作業効率化が図れるのがポイントです。一括編集等を利用して管理を行うことで、リアルタイムで同時にコンテンツの更新が可能になります。
制作費が削減できる
仮にアプリとWebサイトを別ツールで作成しようとすると、それぞれコストが発生し、管理も面倒です。一括で開発することでコストの発生元が一か所になり、経費等も簡単に把握できるようになります。
また、アプリとWebサイトの開発を1から外部業者へ依頼すると、コストが数十万、数百万と膨大な金額になってしまうリスクも・・・。中小規模の店舗にとっては、両コンテンツの外注を実現するのは簡単ではありません。さらに、両コンテンツの同時開発ができる業者は限られてくるのも痛い問題です。
同時開発できるプラットフォームで内製すれば、上記の発注コストは一気に削減されます。アプリとWebサイトの開発を安全にスタートさせたい方にも、両コンテンツ対応のプラットフォームがおすすめです。
少ない人員で作業ができる
将来的なアプリやWebサイト制作まで考えて、少人数で内製できる体制を整えたいと思っている企業は少なくないでしょう。特に中小企業ならば、人員が限られているので少人数体制のほうが望ましいはずです。
負担削減しながら少人数のコンテンツ制作環境を整備するのにも、アプリ・Webサイトが同時開発できるプラットフォームが向いています。プログラミングやデザインなどの手間が必要ないので、コンテンツ制作に必要な担当者数を減らして作業ができるからです。
従来は発注するのが難しくて制作ができなかったような小規模のアプリでも、簡単に自社制作することができます。
クロスプラットフォームなアプリが簡単に制作できる
アプリ制作プラットフォームでは、「クロスプラットフォーム」なアプリ制作が可能です。
クロスプラットフォームとは、
- Android
- iOS
といった各環境に適したアプリをまとめて作成できるようなプラットフォームです。
それぞれの環境へ適したネイティブなアプリ開発ができず、「まずはAndroidだけ」といったように環境を絞ってリリースを行う企業もいます。
しかし、クロスプラットフォームならばあらゆるアプリ動作環境を考えて、各環境で同時作動するような言語を使ったり、ドラッグ&ドロップなどを駆使したりして各環境に適したアプリを制作することが可能です。
クロスプラットフォームアプリとWebサイトを同時開発できれば、アプリストア・検索エンジンといったWeb環境を網羅したマーケティングができるでしょう。
アプリとWebサイトが両方必要な理由とは?接点等の要因がある
そもそもアプリとWebサイトを両方用意しておいたほうがよいのは、次のような理由があるからです。
ユーザーとの接点が異なる
アプリとWebサイトは、ユーザーとの接点が異なります。
アプリはスマートフォン・タブレットなどのモバイル機器でしか使われませんが、Webサイトはモバイル機器・PCで動作するため、リーチできるデバイスが違います。
ネイティブアプリはPCでの動作を前提としていないのが大きな違いです。仮想的にPC上に環境を作ってネイティブアプリを動作させる事例はありますが、あくまで検証目的となっており一般ユーザーはまず実行しません。
またコンテンツ面でも、アプリとWebサイトが掲載される場所が異なります。
たとえばアプリの場合は「App Store」や「Google Play」。Webサイトの場合は「Google」や「Yahoo」といった検索エンジンに掲載されます。
アプリストアでは「ASO対策」が、検索エンジン上では「SEO対策」が必要といったように行うべき最適化施策も異なるので、注意が必要です。
アプリはリピーター用、Webサイトは初期の認知等に使われる
マーケティング面で各コンテンツをすみ分けると、
- アプリ:リピーターへ情報を届けるもの
- Webサイト:認知を始めとしてさまざまなユーザーへ情報を届けるもの
となり、ユーザーの購買段階等によってどちらを使うべきかが変わります。
仮にまだ自店舗のことを知らず、これから認知を行うケースを考えてみましょう。
アプリで初めてのタッチポイントを作りたいと思っても、ユーザーは自店舗のことを知らないため、アプリをインストールするというアクションを起こすことは考えにくいです。
なにかを調べる際、多くの人が検索エンジンを使用します。自店舗に関係のあるキーワードでユーザーが検索をしてくれた場合、自社情報が引っ掛かるかもしれません。
そのため、Webサイトを公開して検索エンジンを通して認知されるよう工夫すると、ユーザーと初めてのタッチポイントが作りやすくなります。
一方で、そこからそのユーザーが来店し「認知」以降の段階へ移った場合、今度はWebサイトのほうが、接点として適さなくなります。
検索エンジンを利用しないとたどり着けないWebサイトは、手間がかかるためどうしてもユーザーが訪れる回数が減ってしまうからです。ブックマークといった方法で直接訪れることもできますが、それでもやはりタッチポイントは減っていく傾向にあります。
そこで有効になるのが自店舗の「アプリ」です。
アプリをインストールしてもらえば、プッシュ通知等を配信することで、簡単にいつでも情報を届けられます。
ユーザーも検索エンジンからWebサイトをたどるよりも、スムーズに情報へアクセスできるのがアプリの強みです。
このようにユーザーの購買段階等で、各コンテンツを使い分けられるとマーケティングがより確実なものになります。どちらかしかない場合、連携のメリットを得られません。
搭載できる機能が違う
PWA登場などの変化によって、ネイティブアプリとWebサイト間の違いは減りました。
ただしまだまだ搭載できる機能には違いがあり、モバイル機器へ特化したものにしようとすると、ネイティブアプリのほうが有利です。
たとえばプッシュ通知はネイティブアプリでは全般的に使えるものの、PWAでは環境によって搭載できない事例があります。現在は従来非対応だったiOSも正式対応が決定して使いやすくなっていますが、環境の違いによって機能が搭載できないケースが出てくるのがPWAを開発する際の難しいところです。
結局は両コンテンツを併用したほうが、確実に使いたい機能を活用できます。
アプリとWebサイト、それぞれの活用方法
ここからはアプリとWebサイト、それぞれの活用方法をご紹介します。
アプリの活用方法
アプリを活用する事例として、あるレストランで「来店したお客様に提供していたサービス」をデジタル化したケースを想定します。
今までこのレストランでは、
- クーポン配布
- チラシの提供
- 会員証の発行
といったサービスを行っていましたが、紙等の発行・印刷コストや、リーチできるお客様が少なくなってきたという課題がありました。
そこでアプリ導入によって、
- デジタルクーポンのプッシュ通知配信
- デジタルチラシのアプリ内提供
- デジタル会員証の発行
といった各機能をユーザーへ提供して、デジタルへのシフトを促進しました。
すると、
- クーポンの利用率が上がった
- チラシを読み返してくれる人が増えた
- 会員証の提示機会が増えた
- 印刷コスト等が削減された
- 店員の作業負担が減少した
といった効果を得ることに成功しました。
このように従来の施策をアナログからデジタルへ完全シフトするのに、各機能でデジタル化が可能なアプリは適していると言えます。実際に実店舗でのアプリ利用率は高まっており、その波は中小店舗にまで広がっています。
またサブスクリプションサービス提供による一定収益の確保なども、アプリ内で実行可能です。
自社にノウハウがない場合はアプリプラットフォームの提供元などへ話を聞いてみるとよいでしょう。
Webサイトの活用方法
Webサイトの活用を行うには、まず埋もれないような施策を連携して実行する必要があります。
あるアパレル店舗がWebサイトとしてECサイトを開設して、その認知度等を向上させるケースを想定してみます。
ECサイトはオリジナルで作ったばかりなので、まだ使ってくれるお客様がいません。
そこで、
- SNSアカウントで情報発信する
- Web広告で集客を行う
- 大型モールへも出店して認知度を増やす
- 動画でライブコマースを行う
といった施策を行いWebサイトへの誘導を行いました。
すると段々自店舗ECで売上が確保できるようになり、次第に検索エンジン上からの集客も可能に。結果的にWeb広告や大型モールへのコストを減らして、より利益に直結できるようなモデルを作り出すことに成功しました。
このようにWebサイトのマーケティング活用では、各ツールとの連携やタイミングに応じたコストの再配分などが重要になってきます。SNSのEC機能などを使いECサイトへ誘導する方法も増えてきているので、コストやタッチポイントなどの面で最適なプラットフォームを導入してみてください。
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まとめ
今回はアプリとWebサイトを同時開発できるプラットフォームを導入するメリット、そして同時開発する必要性などを解説しました。
アプリとWebサイトでは、ユーザーとの接点やリーチできる購買段階等に違いがあります。どちらか片方しかない場合は、両コンテンツを提供できるように準備をしていくとよいでしょう。
またどちらもない場合はマーケティング面で不安が残るので、同時開発できるプラットフォームを導入するなど、両コンテンツを公開できるようにすることをおすすめします。
ぜひアプリとWebサイトを併用して、集客効率を上昇させてみてください。