「自社のアプリ開発の企画書を作れ」と言われたらどうする!?ポイントや上司への説明方法をご紹介
もしあなたがアプリ運用における管理者へ任命されたら「アプリ開発の企画書を作ってください」と上司から指示される可能性もあるでしょう。
アプリ開発の企画書を作る際、システム開発における企画書と同じようなポイントを押さえておく必要があります。
今後企画書を作る際の参考にするためにも、スムーズな企画書の作成のコツを覚えておくと安心です。今回は自社アプリ開発の企画書を作るポイントを詳しく解説します。
自社アプリ開発の企画書を作る前に決めておくべきこと
アプリ開発は複数の工程を通して、継続的に行うものです。その後の機能搭載や改善なども見越して計画を立てていきましょう。
自社アプリ開発の企画書を作る前に、抑えておくべきポイントを解説します。
自社の課題や現状を整理し分析する
まずは自社の課題や現状を整理して分析・文章化していきます。
- 既存システムでは業務が滞っているので改善したい
- ECを含めた新しい顧客との間口を作りたい
- スマートフォンを起点として効率よく集客を達成したい
といった現状分析を行いましょう。
注意したいのは、そもそもアプリ制作が一番よい目的の達成方法なのかということ。目的ありきでコンテンツを選定することで、アプリ以外のコンテンツが目標達成に適切であると判断できることもあります。
たとえばオウンドメディアの用意が一番にあれば、アプリではなくWebサイトへ記事を掲載したほうが目的を達成しやすいです。
アプリ導入にはコスト面や運用面の負担もあるため、それを補って余りある魅力を感じなければ無理に導入する必要はありません。
ターゲットユーザーを理解する
アプリの用意がターゲットユーザーにとって得のあるものなのかを理解するのも重要です。
極端な話、従来のポイントカード・スタンプカードや制度が使いやすいと思われていれば、アプリを用意しても上手く広まらないでしょう。アプリでないと得られないメリットを上手く説明して共有できるかが課題となってきます。
- ユーザーの性別・年齢や生活などの基本情報
- 現状抱えている課題や悩み
- アプリによってどう解決策を提示できるか
- 具体的なアプリのニーズ・事例
- 類似・競合となるアプリの成功事例
といった内容を可視化してから、アプリ導入でメリットが得られると判断できて初めて準備ができるようになります。
たとえば高齢者はいまだにガラケーを使っているので、今すぐ用意してもアプリを使ってくれるとは限りません。この場合、各携帯通信会社でのガラケーの利用が実質的に終了する2024年や2026年といったタイミングに合わせてアプリを用意するのも有効な手です。(auの3G停波は2022年3月に終了済)
自社アプリを開発する目的(ゴール)を決める
自社アプリにおいて開発目的を決める際は、次の要素を検討・企画へ落とし込みましょう。
自社ビジネスにおいての目的(ゴール)
自社ビジネスの目的は利益獲得や成長につながるものにする必要があります。
アプリを作ることで、
- 利益を20%前年度より増加させる
- 継続的に10%ずつ利益を増やしていく
といった直接的な目的を達成したいこともあれば、
- 自社ブランドを醸成・向上させる
- ユーザーの意見をフィードバックしてファンを増やす
といったように結果的に利益へつながるような目標を達成したいこともあるでしょう。
目標に応じて必要な機能を選定して導入する必要があります。
お客様(ユーザー)においての目的(ゴール)
ユーザーがアプリ利用によってどんなゴールを達成できるか考えると、アプリの開発コンセプトも定まってきます。
たとえば目的地検索アプリの場合、
- GPSで周辺の店舗を探せるようにする
- ユーザーレビューを簡単に比較していきたいお店を選定できる
- 周辺店舗のお得な情報やクーポンがすぐ受け取れる
といった点に焦点が置かれるでしょう。
ユーザーゴールは、実際のユーザーの課題解決やニーズに合致している必要があるので確認しておいてください。
必要な機能や仕様を検討する
- 機能の優先順位をどうするのか
- 最初はどの機能を組み込んでリリースするのか
- ユーザー意見のフィードバック基準をどうするのか
- 処理速度が遅くならないようにどう構築するのか
といった点を考えながらアプリ制作を行っていきます。
どれか1つでも欠けていると、使いにくかったり成長しにくかったりするアプリになりかねません。
アプリの機能は後で追加できるので、すぐアップデートできる仕組みを構築するほうがある意味では重要だと言えます。担当者の選定や開発スケジュールなども一緒に考えておきましょう。
自社アプリ開発の企画書に書くべき10つの項目
ここからは先述した自社の課題や現状・目的といった内容以外に、自社アプリ開発の企画書に書くべき10つの項目について解説していきます。
1.競合データの掲載
アプリ開発の際は競合となるアプリのデータも参考になります。説得力を上げるためにどのようなアプリが競合で脅威となるのか、どうやって対抗していくのかをデータ化して企画書へ落とし仕込みましょう。
レビュー情報といったユーザーデータも参考にしながら、なぜ競合が人気を得ているのか、そして独自の切り口でどのようにユーザーを獲得していくのかを考えると良いです。
2.ユーザー数の推移などの予測
リソースの適切な配分のためにも、あらかじめどのくらいのユーザー利用が想定されるのかなどを可視化しておくことが重要です。
宣伝手法によってもユーザー数が変わってくるため、どの媒体を使うのかも確認しておきましょう。またユーザー数によってサーバーの構築手法や必要ハードウェアスペックも変化します。
ユーザー推移にターニングポイントが見込まれるタイミングがあれば、そのタイミングも企画書へ記載するとよいでしょう。
3.自社アプリ開発のスケジュール
どんな工程を挟んでアプリを開発していくのか、また工程ごとにどれくらい期間が発生するのかなどをスケジューリングして落とし込んでいきます。
誰が見ても分かりやすいように、イラストや数値をふんだんに使ってまとめましょう。
スケジュールは、ある程度余裕を持った期間設定にしたほうが安心です。期間が厳しいと開発終了までに時間が掛かった場合の調整が面倒になります。
4.自社アプリ開発にかかる費用相場
アプリ開発の費用相場も考える必要があります。
仮に自社開発を行う場合は、
- 担当者に払っている人件費
- 作業予定期間
- アプリプラットフォーム料
などを計算に入れます。
また外注して開発する場合は
- 初期依頼料
- オプション費
- 保守・運用費
などを計算に入れないといけません。
外注に関しては費用を明確にできるよう、相見積もりを行って最適な予算で依頼のできる業者を選定すると良いでしょう。
5.種類や対応プラットフォームなどアプリ開発の方針
アプリ開発時には
- ネイティブアプリやWebアプリなどどのアプリを開発するのか
- AndroidやiOSなどどの端末へ対応するのか
なども決めておく必要があります。
ネイティブアプリは特定の端末へ対応するのが得意であり、Webアプリは複数端末へ対応できる汎用性があります。どちらにもメリット・デメリットがあるので比較したほうが良いです。
また現在ではiOSだけでなく、Androidの利用者も増えています。Androidは機種数が多く、すべてに対応したデザインのアプリを作るのが大変です。
手間やターゲットユーザーの利用端末などに応じて利用環境を絞り込み、それに適した方針を考えましょう。
6.アプリ開発のワイヤーフレーム
もしデザインに関して金型が用意できるのならば、イメージを共有できるようにワイヤーフレームも企画書に落とし込んでおきましょう。
ツールを使えば、簡単なワイヤーフレームは用意できます。ワイヤーフレームによってどんな画面構成になるのか、またどんな情報が画面に掲載されるのかなどが何となくでも把握できるようになります。
ただしアプリのページ数が多いと書くのが大変になるので、できる範囲でも構いません。
7.機能要件
機能要件については、
- アプリとしてそもそも必要な機能
- 自社アプリとして必要な機能
- 必要性が他より高くないがあるとよい機能
- 確実に必要がない機能
などを判断して、優先順位を付けながら書類化していく必要があります。
優先順位が高い必要な機能を一通り搭載できると判断できれば、他の機能を排除して制作するケースも。最低限必要な機能を把握しておくことが大切です。
8.プロジェクト体制図
アプリ開発を行う際のプロジェクト体制のグラフを作成しましょう。
- 開発担当者
- 関係性
- 担当者ごとの業務内容
などを図式化して分かりやすくまとめていきます。
アプリ開発を外注する際も、取引先の開発業者とどのような関係になるのか図式化しておくと、スムーズなコニュニケーションを取りやすいです。
9.投資効果
経営層を説得できるように、どのくらい投資すればどのくらいアプリで利益が獲得できるのかも設定していきます。数値付きでないと経営層は納得させることは難しいため、グラフなどを用いて、分かりやすく投資効果が把握できるように企画書を作成していきましょう。
ここで決めた投資効果が、継続的に投資をするかそうでないかを決める基準ともなります。
10.法的要件
ゲームアプリなどのジャンルでは、さまざまな法律が運用時に関与してきます。実際、過去にはせっかく人気を集めたのにもかかわらず法律違反でサービス終了してしまった事例もありました。
ゲームアプリ以外でもアプリ運用時に関係してくるであろう法律をあらかじめ調べ、どのように対応するのか書類化することで、こういったトラブルは避けられます。
たとえば「景品表示法」といった法律は、アプリによく関係してくるので必ずチェックしておきましょう。
上司を説得できる企画書の説明方法とは
企画書を作成した後、上司を説得してアプリ開発への許可を出してもらうためには、次のようなポイントを踏まえて説明すると良いです。
スライドと資料は分ける
企画書を作成する場合、一緒にプレゼン用のスライドを作成することがあります。もしプレゼンに企画書およびスライドを使う場合、双方の内容は変えたほうが良いです。
- 企画書:具体的に内容を記載する
- スライド:内容をわかりやすくシンプルに書くことを優先する
企画書を書いた後に、重要な部分をスライドでグラフ化しながらまとめてみると作業がはかどります。スライドの補完として企画書を利用してみましょう。
ストーリー性を意識して制作する
企画書を制作する際は、ストーリー性を意識することも重要です。
- 結論を言う
- なぜそうなるのか
- 事例を解説
単に内容を1つずつまとめただけの文章と順序よく説明した文章では、読みやすさが違います。
すんなり頭に入らない企画は受け入れられる可能性が低くなるので、頭に入るストーリー展開になっているか、デモンストレーションも行いながら判断してみてください。
数値等の根拠を持ってくる
説明を補足する数値や事例も伝えましょう。企画書で説明したいことをより分かりやすく解説するためにも必要です。
たとえば数値説明では、「3C分析」といったフレームワークを使い数値付きで説明をすると説得力が上がります。内容の整理にフレームワークの活用は便利なので、ぜひ企画書作成の際に覚えて活用できるようになっておきましょう。
自社アプリ開発は会社選びも重要
自社アプリ開発においては、会社選びも重要です。会社によって搭載できる機能や費用相場は異なるので、マッチングサイトも利用しながら効率よく相見積もりを行うと良いでしょう。
アプリ外注の際は、
- 実績
- 担当者の対応
- 強み
などを公式サイト、問い合わせで確認しておいてください。
またアプリプラットフォームを使って、内製をメインにする方法もあります。この場合も提供者から制作や戦略に関するサポートを受けられるので、ぜひ利用を検討してみてください。
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まとめ
今回は自社アプリ開発の企画書を制作するコツをご紹介しました。
目的やターゲットユーザーなどを考え、数値やグラフ付きで分かりやすい企画書を用意すると上司にもアプリ開発のメリットが伝わりやすいです。
ストーリー性などを意識して説得しやすい企画書を作成して説明を行ってみましょう。